言葉と表現と射影のブログ

アクセスカウンタ

zoom RSS 文学・大杉栄  4  本多敬

<<   作成日時 : 2011/01/26 20:30   >>

トラックバック 0 / コメント 0

憲兵Bは隊長にきいた。「世界中に六千の言葉があると聞いたことがあります。いつから、こんなに沢山の言葉が生まれたのでしょうか」と、憲兵Bは隊長にきいた。
すると、憲兵Cが言った。 「お前、バベルの塔の話を知らないのか。耶蘇の神様が奢り高ぶる人間を罰するために、互いの言葉を分からなくしたのさ」。

「民族の間で互いに言葉が分からないから、心が通じ合わないという話は尤もな事です。しかし、心が通じ合わないから争いが必ず生じるという訳ではありません。争いは他の理由によって生じるものなのではないでしょうか。隊長はどのように思われますか。」と、憲兵Dが言った。

「皆、ふくろうねこの話を知っているか。聞いてくれ。」と、隊長は言った。

「昔々、バベルの塔と呼ばれた高い塔がありました。塔のてっぺんにはふくろうが住んでいました。塔の下にはねこが暮らしていました。ふくろうはねこのことを知りませんし、ねこもふくろうのことを知りません。黄色。ふくろうは座っています。黄昏。ふくろはごはんを食べます。本を読みます。時々ため息をつきます。ふくろうは歩いて、歩いて、そして、また座ります。ふくろうは待っているのです。青色。ねこは座っています。黄昏。ねこはごはんを食べます。本を読みます。時々ため息をつきます。ねこは歩いて、歩いて、そして、また座ります。ねこも待っているのです。
ねこが聞きました。不思議だな、ここには、だれもいないのに、どうして、木が、どんどん高くなるんだろう。すると、風の神さまが 言いました。おやおや、変なことに驚いているんだな。だって、私がずっとここにいるじゃないか。木が育つのはね、塔のてっぺんにいるふくろうが、きみをみているからなんだよ。」

憲兵Aは「ホーホー」と、戯れてみせた。




文学・大杉栄



34憲兵Bは隊長にきいた。「世界中に六千の言葉があると聞いたことがあります。いつから、こんなに沢山の言葉が生まれたのでしょうか」と、憲兵Bは隊長にきいた。すると、憲兵Cが言った。 「お前、バベルの塔の話を知らないのか。・・・

35・・・耶蘇の神様が奢り高ぶる人間を罰するために、互いの言葉を分からなくしたのさ」。しかし憲兵Dは言い返した。「民族の間で互いに言葉が分からないから、心が通じ合わないという話は尤もな事です。しかし、心が通じ合わないから争いが必ず生じるという訳ではありません。・・・

36・・・争いは他の理由によって生じるものなのではないでしょうか。隊長はどのように思われますか」。「皆、ふくろうねこの話を知っているか。聞いてくれ。」と、隊長は言った。「昔々、バベルの塔と呼ばれた高い塔がありました。・・・

37・・塔のてっぺんにはふくろうが住んでいました。塔の下にはねこが暮らしていました。ふくろうはねこのことを知りませんし、ねこもふくろうのことを知りません。・・・

38黄色。ふくろうは座っています。黄昏。ふくろはごはんを食べます。本を読みます。時々ため息をつきます。ふくろうは歩いて、歩いて、そして、また座ります。ふくろうは待っているのです。・・・

39青色。ねこは座っています。黄昏。ねこはごはんを食べます。本を読みます。時々ため息をつきます。ねこは歩いて、歩いて、そして、また座ります。ねこも待っているのです。

40ねこが聞きました。不思議だな、ここには、誰もいないのに、どうして、木が、どんどん高くなるんだろう。すると、風の神さまが 言いました。おやおや、変な事に驚いているんだな。だって、私がずっとここにいるじゃないか。・・・

41・・・木が育つのはね、塔のてっぺんにいるふくろうが、君をみているからなんだよ。」。その時、ホーホー、と,誰かが戯れてみせた。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
文学・大杉栄  4  本多敬 言葉と表現と射影のブログ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる