テーマ:文学

公の世界、私の世界、侵犯する芸術の世界 - 子安氏「論語塾」講義からの報告

公の世界、私の世界、侵犯する芸術の世界 朝廷の公式の仕事である歴史の編纂は、例えば「日本書紀」のように、貴族社会においては男子に属する公の世界であった。公の世界は漢字で書かれた。一方これと相補的に成立していたのが、私の世界である。歌の世界である。天皇が私的に太安万侶に命じた「古事記」、「万葉集」など和歌などの歌集本がその…
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吉本隆明的親鸞のポストコロニアリズム的風景

知「か」無知か?これはポストコロニアリズム的風景に置くと、啓蒙か自然か?という大英帝国の内部の問いとしてある。吉本・親鸞的な関係の絶対性として第三極的に知「と」無知に辿る着く依る救いはポスト構造主義的解決とて、アイルランドにおいては教育ある親英的ロマン主義的中流の裏切りでしかない。啓蒙「か」自然か?と問いを立てても、大英帝国の知の支配か…
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意識の流れstream of consciousness を称える

意識の流れstream of consciousness を称える 「'我'考える、ゆえに、'我'存在する」cogito, ergo sum、と、デカルトはいいました。これはなにを意味しているでしょうか?コギトといわれる、この'我'に関しては、二つの性質からみることができます。理念性と身体性です。「'我'考える」は、私のありかたを…
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3・11以降の思想の肖像(4a)  われわれはどう文学を論じるのかージョイス

1、アイルランドの人々は生存可能な未来について話し合うべきときに来ている。世界的な金融危機を迎える前、政治家達は、アメリカ型の市場原理を範に取った経済政策を立案し実行したが、結果として経済政策の破綻が決定的となるや否や病院や学校への予算を凍結してしまった 2、私の最後の滞在の年、この政策の方針に対して大きな幻滅と怒り、憎悪が生じた…
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3・11以降の思想の肖像(4b)  われわれはどう文学を論じるのかージョイス

3 Return to itself - 不可能な円環の肖像               「フィネガンズ・ウェイク」には、ジョイスの創作の上での豊かな体験、繊細さと大胆さとが混ざる観察力、自由闊達な描写力、数十の言語が組み合わされる巨大な構想、それから、彼の文学を最も際立たせている、多声的な円環の運動、というような特徴が観察…
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酔いどれ[詩]X[砂漠の部屋からの喜ばしき亡命]  本多敬作

酔いどれ[詩]X[砂漠の部屋からの喜ばしき亡命] 作 本多敬 なんで、あんなに酔っぱらっちまったのか? 議論に引き込まれたからだ、畜生め!  酒場での言い合いはまっぴらだと誓ったはずなのに 自分で決めた亡命とは何か、あいつらは分っちゃいないからさ 偏在する、この掌の感覚は、共通のもの 無限に収縮する…
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<語りの特権性>とはなにか?

<語りの特権性とはなにか?> 哲学者ソクラテスでも文学者バルザックでもいいんですが、近代の「語り」は、体系を語らなくてはなりません。近代は、ルネッサンスから始まりますから、体系を見渡す専門性が要求されます。と同時に、専門の特権性に閉じこもっていては、社会的に語ることができません。ここで、「社会的に」がポイントで、「共同体的…
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なぜ、日本では、文学者が、或いは文学的批評家が、知識人と呼ばれるのか?

知識人 ドストフェスキー小説の独白は、精神の自立した構成に属する。しかし、それは、カーニバル的対話との異化的接触からの影響を受けて、原初の純粋な力を失ってしまうほかない。ショスターコーヴィッチのような人は、このことをよく知っていたかもしれない。 さて、「若い芸術家の肖像」のスティーブンは、意識の流れの中心点である前に…
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Mamalujo, mamalujo(ジョイスの造語)のマルチチュード性

ネグりは語る。「諸個別性の間の差異の外部には、即ち「人間である事」という表現の根源性の外部には、マルチチュードは存在しない。「共和国をつくる事」との関係を離れては存在しない。「マルチチュードをつくる事」、それは愛を求める事であり、欲望という形でコナトゥスを実現し・・恐らくそれ以上のものだ」 さて、ジョイスの造語Mamalujo…
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コーヒーと哲学の十分間 ーいかにして存在論は、「ある/存在する」から「書く」へと至るのか   本多敬

α、「ある」ー「存在する」ー「書く」という系列に、「文学」という個物を関連づけよ。文学である、文学が存在する、文学を書く、という一連の複合的系列の記述が可能である。哲学的内省は、この複合的系列の記述に即して、人間の思惟のプロセスを批判的に考えようとするのだ β「文学である」というこの自己規定性は、「文学でない」とす…
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Owlcatoのジョイス論     本多敬

ゴダールは警告した;S(複数形)は大事にしろ、しかし、SSには気をつけろ、と。ゴダールのとは違う意味で、ジョイスの読者は、「S」というアルファベットに注意を払う必要がある。例えば、「ユリシーズ」のラストは、有名なYesだ (I will Yes) では、「ユリシーズ」の最初の言葉はなんだろうか?おお、やっぱり、State…
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「資本論」、解釈を「書く」欲望 本多敬

「資本論」、解釈を「書く」欲望        最近は墓のことでもkともめることが多くなった。自分達が死んだらどこの墓に葬られることになるんだろう、という考えが一日中頭を巡り離れない。以前は漠然としていた不安がだんだん確固たる脅威の如く大きくなっていく。最近通い始めたシナゴーグのあるゴルダーズグリーンの共同墓地に埋葬されることにな…
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文学・大杉栄  15  本多敬

と、今度は、野枝が、自分でこしらえたふくろねこの話をしはじめた。「ふくろうねこは、賢者の犬スピノザの話を聞いたあと、仲直りしましょう、と話し合いました。それから、木である門のところに、掟の言葉をかかげることになりました。掟は、ふくろう言葉と、ねこ言葉の両方で書かれています。地球は丸くてギュギュウだから、お互いに譲り合って、限られたスペー…
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文学・大杉栄  14  本多敬

大杉栄は話を続けた。「ふくろうのこころは、鍵がかかって誰も入ってこれない、ひとりだけの映画の部屋。ねこのこころは、鍵がかかって誰も入ってこれない、ひとりだけの映画の部屋。ふくろうのこころとねこのこころ。それぞれが鍵がかかって誰も入ってこれない、ひとりだけの映画の部屋。ひとりで映画をみても、その夢がかなうことはありません。ふたりでいっしょ…
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文学・大杉栄 13  本多敬

甘粕大尉は質問を続けた。「大正九年、あなたは上海に着いた時、港からそのまままっすぐ朝鮮人居住区に行っています。警察が押収したあなたの日記には、フランス租界内「何とか路の何とか里」と書いている。正確には場所はどこだったんですか。Lは李登輝、Rは呂運享、Cは陳独秀、Tはチェレンだということはわかっています。その会議には他に誰が出席していたの…
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文学・大杉栄  12   本多敬

甘粕大尉は大杉に質問した。「思想の計画について質問したいのですが。それは、つまり世界に革命の力を導入することですか?」。 「世界に革命の力の導入を求めた思想の計画は結局、同意の現実とイデオロギーをもたらしただけだ。反抗が生じることがなかったし、美が誕生することもなかった」。 「それでは、あなたの計画は何だったのですか?」。 …
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文学・大杉栄  11  本多敬

「なまけものは大勢で自動車を造ることができますよ」と、市子は言った。 大杉栄は首をふった。 「なまけものに飛躍はない。なまけものは歴史を創らない」。 「なまけものは大勢で、戦争に強い国家をこしらえています」と、野枝は言った。 大杉栄は苦笑した。 「戦争に強い奴は、そういう野蛮人達だ」。 甘粕大尉は大杉に言った。「…
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文学・大杉栄 10  本多敬

第三部 大杉栄と甘粕大尉がテーブルを挟んで対峙している。他に憲兵Dが大杉栄を見張っている。甘粕大尉による取調べが進む。テーブルの上に、伊藤野枝と神近市子が座っている。テーブルの前に置かれた、真ん中の椅子に、堀保子が座っている。三人は大杉栄を見ており、時々言葉を交わすが、甘粕大尉と憲兵Dには、それらの姿は見えない。 甘粕大…
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文学・大杉栄  9   本多敬

新聞記者は溜息をついた。「大杉さんが捕まったという事実の証明ですよ」。 「一部始終目の前で見ていたのよ。わたしの目の前で、栄さん達が捕まったよ。私の目が証明です」。 「しかし、政府と警察は新聞社に一言の説明もないのですよ」。 野枝は再び立ち上がり、記者に指差した。「政府と警察が事実を隠しているだけのことでし…
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文学・大杉栄  7  本多敬

第二部 伊藤野枝と新聞記者が向かい合って座っている。新聞記者が伊藤野枝の言葉をタイピングしている。 「野枝さん、よかったら、どうぞお座り下さい。最初から、状況をお話いただけますか。」と、新聞記者は言った。 野枝は動揺している。椅子に座る。 「栄さん達が捕まった。憲兵達が来て、連れて行ってしまった。」 「憲…
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文学・大杉栄  6  本多敬

隊長は続けた。「バベルの塔はもはやありません。そこは、いまや瓦礫の山です。ふくろうねこは、新しい塔をつくろう、と考え始めました。ふくろうねこは、大いなる宇宙の建築家になりたい、と思いました。人間たちは、整理し、表にし、地図を作ることばかり考えていましたが、これらが、バベルの塔の崩壊の原因となったのです。ふくろうねこは、気ままに歩きまわる…
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文学・大杉栄 5  本多敬

隊長は話を続けた。「ふくろうのこころは、鍵がかかって誰も入ってこれない、ひとりだけの映画の部屋。ねこのこころは、鍵がかかって誰も入ってこれない、ひとりだけの映画の部屋。ふくろうのこころとねこのこころ。それぞれ、鍵がかかって誰も入ってこれない、ひとりだけの映画の部屋。ひとりで映画をみても、その夢がかなうことはありません。ふたりでい…
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