テーマ:芸術

オリヴェイラー監督「家族の灯り O Gebo e a Sombra」の感想文

嘗てオリヴェイラーはゴダールに言った。「私は概して、映画のそこが好きだ。説明不在の、光に浴たす、壮麗な記号たちの飽和」。今日観た「家族の灯り O Gebo e a Sombra」からは、そんな光が演劇的場に介入する事件性のことを思った。この映画はまさに、ポルトガル人監督の「インディアン・ソング」だ On Manoel …
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フランシス・ベーコン展の感想

今日、竹橋の美術館でやっているフランシス・ベーコン展へいった。17歳のとき、ダブリンの街頭で野良犬の小便する姿をみて芸術上の啓示をえたとベーコンは綴っていた。かれの絵をみると、ゴシック教会の化物を思い起こす。ベーコンは、死んだ動物の姿をした、死者を祀っているのだろうか?但し靖国の如く国家が死者を祀る特権的なやり方ではないだろう。…
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現代映画の特徴とはなにか?大島渚「少年」から考える

現代映画の特徴は、言葉(言表性)と物(可視性)の分裂にあります。大島渚「少年」ほど、この分裂を巧みに利用した映画作品は他に滅多にありません。マグリッド・デュラスの「インディアンソング」ぐらいでしょうか。 さて、「少年」は、運転者から示談金をゆすって生きる変な家族を描いています。父は戦争で負傷したことを口実になにもせず、もっぱら妻と…
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大島渚は日本のゴダールか?

大島渚は日本のゴダールか?答えはゴダールをどう理解するかによる。ゴダールのヌーベルバーグは、外部世界よりも遠く外に突撃したダダの継承者。大島の「愛のコリーダー」のラディカリズムは、内部世界よりも深く内に向かったシュールレアリズムに属する。主体の内部で主体の位置と態勢を炸裂させよ! NOTRE HISTOIRE pressent l…
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METオペラの映画中継、ワグナー指輪「ジーグフリード」の感想

<METオペラの映画中継、ワグナー指輪「ジーグフリード」の感想> 「ジークフリート」は、北欧神話に依拠した物語展開。シグルドリーヴァ(古エッダElder Edda)において、Odin神に反抗したため炎の環のなかで眠り続けるValkyrie。Sigurdによってめざめさせられる。 ブリュンヒルデが目覚めるとき、恐れ戦くジークフ…
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「ラインの黄金」(MET)の感想 - メトロポリタン・オペラによる、ワグナー指輪の映画中継

メトロポリタンオペラによる、ワグナー指輪の映画中継がはじまった。METは、保守的といわれる。たとえば、ウエリッシュのヴォーダンは、縁日のお祭りのおもちゃみたいなピカピカ光る超豪華な指輪をはめていたが、この米国の観客の即物的嗜好に答えたリアリズムに、思わず苦笑してしまった。ヨーロッパのオペラなら、支配を象徴する指輪に、核エネルギーの抽象的…
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芸術は快楽か禁欲か

<芸術は、快楽か禁欲か> 普遍的思考のことにかんしていえば、普遍主義は、"愉快な空間"とするニーチェ的なポストモダン的な考え方と、"愉快な空間ではない"とするカント的なフランクフルト学派的な考え方がありますね。例えば、80年代に顕著な商業空間に、自由の契機を見出すのは前者です。そして、2000年以降に重要となっている公共空間の創設…
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真理を奪われた言葉達が繊細に紡ぐ意志、書く運動、エクリチュールである移民達

移民の風景。移民というのは、必死でなにかの入り口に入ろうとする人々です。そうしてそこに入ってみたら、大抵は、屋根も柱も壁もない家に入っているのです。母国語を持つ人々の間で共通の言葉を探し、内側に行こうとするけれどもが、知らず知らず外へ外へと押し流されていく移民達の思い、故郷喪失者達の悲しみ。 屋根も柱も壁もない奇妙な家は、デザインは不…
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なぜ、ゴダール映画は構造とみなされるのか?ー全体性・変換性・動的発展ー

1、ピアジュが提示した構造の条件をなす、全体性とはなにか?遠山は数学的構造を例にとる。群の単位元eは、群という構造のなかでそれが占める特殊な性格、即ち、他のものaとかけて他のものaとなる、という性格によって規定されている。ea=ae=a これは構造の中の有機的な構成部分なのである 2、この点が、それ自身が他とは独立に存在し…
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「大津波のあとに」(森元修一監督、ドキュメンタリー)の感想

震災の二週間後の仙台、東松島、石巻を撮影した「大津波のあとに」(森元修一監督)を観た。瓦礫に埋もれた写真アルバム、卒業証書を拾い出す人々。人間の土地に対する執着を監督は共感をもって表現した。未来を思い出すことー即ち、救いと。生と死の相補的な関係が風景を通して知的に描き出されている http://fartheron.soragoto…
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オペラ感想文  プッチーニ「トスカ」

プッチーニ「トスカ」は、芸術家を救い出す騎士物語の側面がある。 トスカは、オイディプス王みたいに、他者の言葉に囚われて、破局につき進んでいく。 最後に、身を投げたトスカが本当に死んだかどうかは曖昧だ。 専制権力が崩壊する混乱のなかで逃げ出した、と、私は解釈したい。 つまり、教会と君主による死の裁きから、トスカは生…
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ヴィスコンティー「ベニスに死す」の感想   本多敬

・ヴィスコンティー「ベニスに死す」雑感;タジューを見て、神々しいギリシャ彫刻というよりは、ルネッサンスのナルシスティックで中性的な彫刻を思った。十五歳男子に顕著な堅固さと脆弱さの間の振幅、マーラ音楽の如きカトリック的マッチョと解決なき迷宮を奏でている。神の顔に対する神秘主義を考えた ・フェティッシュの遊戯?衣装(タジューの…
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オペラ感想 ;ワーグナー、バイエルン国立歌劇団の「ローエングリン」

クルト・フォン・ヴェステルハーゲンのワーグナー論を読むと、かれはパリで、「ローエングリーン」という中世高地ドイツ語で書かれた詩を知ったとある。この詩は当初、ワーグナーに不快感を与えた。主人公ローエングリーンはなにか曖昧に神話がかった姿を現わし、粗野に刻まれ彩色された聖人の像を見るときのような不愉快な気持ちを与えたと語っていた…
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ウェスカー「シャイロック」の感想文  東京演劇アンサンブル公演より     本多敬

ウェスカー原作「シャイロック」(東京演劇アンサンブル公演)の感想 1、「ユダヤ人」というと、「偶像崇拝禁止」の宗教のことをまず思い浮かべる。では、偶像崇拝とはなにか?偶像崇拝ー絵画・彫刻・自然物などの可視的対象物を信仰の対象として崇拝・礼拝すること。ただし、ロンドンのユダヤ人の友達にきいたら、人間にとって都合がいい、自己完結した観…
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映画・演劇  総集編A  2010-2011  本多敬

・ Godard - Passion : Wrestling With the Angel 「パッション」で、カメラがコンスタンティノープルの模型を大旋回し、Jezyが天使と争うまでのロングショット。ゴダールは故郷喪失者みたい。映像世界に迫害されているようで、私はこの印象に驚いている。ヘルダーリンの詩を思い出した。 ・白日夢…
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書を捨てよ町へ出よう  takashihonda

OWL; ホホー!昔、寺山修司の映画で演出家だった映像作家の先生から、絶対に役者になれ!と説得された。ただ、お前の言葉は上品過ぎて駄目、役者に成る為には青森弁を学んで喋れ、という忠告。理由をきくと、寺山が青森弁だからという。日本女子大で青森弁を勉強いたしました、と寺山は得意だったとか CATO:んだのー?(そうなんです…
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三島由紀夫「音楽」を鑑賞する     本多敬

三島由紀夫原作の映画化、「音楽」を鑑賞した。増村監督のイタリアで培った美意識も、開高健の小説の如き凡庸さで色褪せる。政治を避けるからだ。三島はちがう。婦人公論で連載した小説、精神分析医は新左翼みたいだ。結局、フロイト的抑圧の主題も、村落的共同幻想の湿った物語に置き換えられてしまう
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Owlcatoのジョイス論     本多敬

ゴダールは警告した;S(複数形)は大事にしろ、しかし、SSには気をつけろ、と。ゴダールのとは違う意味で、ジョイスの読者は、「S」というアルファベットに注意を払う必要がある。例えば、「ユリシーズ」のラストは、有名なYesだ (I will Yes) では、「ユリシーズ」の最初の言葉はなんだろうか?おお、やっぱり、State…
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アイルランド、妖精の舞  テオ・ドラン作 本多敬訳

アイルランド、妖精の舞 ・アイルランド時代、「リバー・ダンス」の挿入歌詞の翻訳を依頼されました。テオ・ドランの詩を訳しました。易しい詩ですから、アイルランドの文化を想像してみてください! 太陽を回って踊る 夜に、 海から現れた 岸辺に寄せる波が 一日の終わりのよう 夜がうねる 海の広が…
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統一か? 多様性か? - 都市の肖像を書くこと (1)  本多敬

統一か? 多様性か?- 都市の肖像を書くこと (1) 「バベルの塔とマーテル塔」;  No.1バビロンは、ヨーロッパの文脈からみると、圧制と亡命を象徴する、現存したメソポタミア文明の一都市の名である。また、その名は、天の高みにまで築かれたバベルの塔について旧約聖書の神話に結びつき No.2・・人間の奢った野心に対する戒…
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愛の無媒介性 岡倉天心ー西田幾多郎ー大杉栄    by 本多敬

α岡倉天心ー西田幾多郎ー大杉栄;岡倉の東洋の理想は「アジアは一つ」という言葉から始まる。この理想を中立化してしまうと、よく統御された文体で綴った美術史、せいぜいオリエンタリズムにしかならない。しかし、岡倉は政治的なのだ。私達のアジアは占領地帯にある、と読むべきだ。つまり沖縄だ。 β岡倉天心ー西田幾多郎ー大杉栄;私達のアジアは「場所…
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演劇・オペラ 感想文 2011  本多敬

アゴタ・クストフ「道路」の感想文 2月11日ブレヒト小屋にて上演 舞台は横(演者同士)の関係、縦(演者と聴衆)の関係、高さの関係(祈り)で構成されているときいたことがある。3つ目の関係を知った時、大きな感銘を受けた。しかし、だからといって、その高さはバベルの塔のような高さ、と理解すべきではないだろう。「自分の計画をつぶさに検討する…
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小説マルクス  22   本多敬

泣いているのは誰だろう。僕か、フレデリックか。泣いているのはジェニー。       故郷ボンから遠く離れて ロンドンで生きた 直ぐに慣れた 人々の身振りと眼差しに暗闇と煙とに アルコールの中でゆっくりと刻まれる どれもこれも類似した思い出の数々にも 暮らしぶりや、習慣の違いも 不思議に思わなくなった 共通のもの…
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小説マルクス  21   本多敬

マルクス登場。 「フレデリック、いつも有難う」。 「原稿の前払いと思ってくれるとこちらも気が楽なんだ。ところであの原稿は完成したかい」。 「いや、まだなんだ」。 「ロンドン本部の事務局が早く演説原稿を送って欲しいと催促を始めたから今日中に書き上げてしまおう。階級闘争における「抑圧する国家」と「抑圧される国家」という、ここのと…
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